有名日本ブランド計測器 vs タオバオ出品格安中国製計測器


先日、NTTドコモが中国ファーウェイ(華為技術)社製造の高機能携帯電話(スマホ)を市場に投入するという報道が一斉に日本中を駆け巡りました。比較的保守的なドコモとしては、はじめての中国製のスマホの採用ということで驚かれた方も多いかと思います。(以前よりドコモは子供向携帯電話はファーウェイ製を採用していました。HW-01D等) ここ最近の流れとして、携帯電話や薄型テレビの市場では韓国製や中国製などの新興国のメーカーが製造した製品が世界中を席巻するようになってきています。しかしそれら製品群が日本製と比較してどれほどの実力があるかははっきりとはわかり難いというのが現状です。そこで今回弊社では、産業のマザーツールとも呼ぶべき業務用で使われる様々な計測器で、タオバオで格安に出品されている純中国製品が有名日本ブランドの計測器にどこまでキャッチアップしているかを、客観的に具体的数値を分析し、比較検討していきたいと考えています。今後中国製品を購入販売されたり、利用してみたいと考えている方の参考の一助になれば幸いです。

※比較検討する計測器は全て未使用新品です。

レポート作成 中村浩司   
第3種電気主任技術者(平成10年合格)   第1種電気工事士





★ 測定part1 「絶縁抵抗計」 比較測定 ★
  
絶縁抵抗計とは直流電圧を印加し、電力回路の絶縁抵抗を測定する保守点検用測定器。俗にメガーとも呼ばれ、電池を電源にして主にアナログとデジタル表示方式2通りがある。


◆ 測定方法
標準器のエキスパート・双興電機製の絶縁接地抵抗校正器(MGA−5000・国家標準トレーサビリティ済)を利用し、基本性能である絶縁抵抗測定値の正確性を各標準抵抗値ごとに測定し、その誤差を比較検討します。絶縁抵抗測定の基本性能を測定することに主眼をおくので、交流入力電圧測定及び出力されている直流の印加電圧の正確性は今回は無視します。また日中双方メーカー比較検討の公平を期すために、メーカーの謳っている有効測定識別範囲内での測定値を基本的に比較対象と致します。



(その1・デジタル表示タイプ)
日本製第1・2有効測定範囲を基準に測定




◇サンプル1 
中国 DUOYI(多一)社製  
型:DY30−1(デジタル)


メーカーサイト
http://www.dyinstrument.com/duoyi/?q=insulation_resistance_tester/DY30-1/DY30-2

参考:「多一電子有限公司 (DUOYI) 社とは」
この会社は2000年頃に中国の深浅市で設立され、主に測定器の研究開発や多種多用なメーター関係の製品を生産しています。、デジタルマルチメーター、絶縁抵抗計、接地抵抗計などが代表的。特に車修理用のマルチメーターは中国で市場占有率で90%以上に上り、この会社の代名詞的商品となっています。
http://www.dyinstrument.com/duoyi/

DY30−1外観 
(デザインや大きさ、機能は日本の共立電気製の完全パクリです)↓



メーカー技術指標 DY30−1
定格印加電圧 250/500/1000V
測定範囲 0〜2000MΩ
最小識別力 0.001MΩ

タオバオで200元(約2,500円)で購入 ↓



測定状況 ↓



測定データー ↓



誤差率グラフ ↓







◇サンプル2 
中国 DUOYI(多一)社製  
型:DY30−3(デジタル)
 

メーカーサイト
http://www.dyinstrument.com/duoyi/?q=telecom_insulation_tester/DY30-3

DY30−3外観 
(こちらも日本の共立電気製の完全パクリです)↓



メーカー技術指標 DY30−3
定格印加電圧 15/50/100V
測定範囲 0〜100MΩ
最小識別力 0.001MΩ

タオバオで450元 (約5,500円) で購入



測定状況 ↓



測定データー ↓



誤差率グラフ ↓







◇サンプル3 
日本 共立電気社製  
型:3022(デジタル)
 

メーカーサイト
http://www.kew-ltd.co.jp/jp/products/insulation/3021.html

3022外観 
(メーカー価格30,000円・市場価格26,000円で購入)↓




メーカー技術指標 3022
定格印加電圧 50/100/250/500V
第1・2測定有効範囲 0.1〜2000MΩ

測定状況 ↓



測定データー ↓



誤差率グラフ ↓







◇サンプル4 
日本 日置電機社製  
型:IR4051−10(デジタル)
 

メーカーサイト
http://hioki.jp/4000/4051.html

IR4051−10外観 
(メーカー価格25,000円・市場価格23,000円で購入)↓




メーカー技術指標 3022
定格印加電圧 50/100/250/500V
測定有効範囲 0.2〜1000MΩ

測定状況 ↓



測定データー ↓



誤差率グラフ ↓

















(その2・アナログ表示タイプ)日本製第1・2有効測定範囲を基準に測定




◇サンプル  日本 共立電気社製  
 型:3315
 

メーカーサイト
http://www.kew-ltd.co.jp/jp/products/insulation/3315.html

(メーカー価格36,000円・市場価格32,000円で購入)





メーカー技術指標 3315
定格印加電圧 125/250/500V/1000V
測定範囲 20MΩ/50MΩ/100MΩ/2000MΩ
識別範囲 0.02〜10MΩ/0.05〜20MΩ/0.1〜50MΩ/2〜1000MΩ


測定状況 ↓



測定データー ↓



誤差率グラフ ↓















★ 測定part2 「接地抵抗計」 比較測定 ★
  
接地抵抗計とは、電気設備保安用の為に埋設された接地極として使用する各種導体に対する接地抵抗(接触抵抗)を測定する為の測定器。一般的にアーステスターとも呼ばれている。


◆ 測定方法
標準器として利用される双興電機製の絶縁接地抵抗校正器(MGA−5000・国家標準トレーサビリティ済)を利用し、基本性能である接地抵抗測定値の正確性を確認します。
  


◇サンプル 中国 DUOYI(多一)社製  
型:DY4102(アナログ)
 

メーカーサイト
http://www.dyinstrument.com/duoyi/?q=ground_resistance_tester/DY4102



メーカー技術指標 DY4102
定格印加電圧 0〜1000Ω
接地電圧 AC30V

タオバオで420元(約5,200円で購入) ↓



測定状況 ↓



測定データー ↓



誤差率グラフ ↓









◇サンプル 日本 YOKOGAWA(横河M&I)社製  
型:323501(アナログ)


メーカーサイト
https://www.yokogawa.com/jp-ymi/gmi/insulation-testers/gmi-3235-001-jp.htm

(メーカー価格44,000円・市場価格38,000円で購入)




メーカー技術指標 323501
定格印加電圧 0〜1000Ω
接地電圧 AC30V


測定状況 ↓



測定データー ↓



誤差率グラフ ↓








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